私たちは5つの感覚=‘五感’の大切さを改めて感じています
目で見る、耳できく、鼻でかぐ、舌で味わう、手で触る…。どれも日常生活で使いこなすとても身近な存在。なのに意識しようとするとちょっと難しい…。それが五感です。危険から身を守るために、また自分の知りたい物や事を捉えるために、意識せずとも日々フル活用。まさに外界と自分をつなぐパイプ役です。しかしクセやライフスタイルによってある感覚だけ使いすぎたり、反対に使わなすぎたりと使い方には偏りがあり、このアンバランスがストレスの原因といわれています。ストレスの多いコロナ禍の生活ですが、感覚の使い方の変化も影響しているのではないでしょうか。健康な心身を保つためには、バランスよく感覚を使うことが大切です。「アタマ」を先に働かせてしまう毎日だから、ただただ自分の中にある感覚を楽しむ時間こそが私たちを癒し、豊かな時間となるでしょう。
感覚のその先にあるもの‘ わたし’ から広がる「センス・オブ・ワンダー」
五感をオープンにして感覚を味わったら、その先に生まれるもの。「ドキドキ」「ワクワク」とココロが揺れて、「なんで?」「どうして?」とアタマが動きはじめて・・・。子どもが持つ澄み切った洞察力や好奇心を「沈黙の春」の著書であるレイチェル・カーソンは「センス・オブ・ワンダー」と名付けました。子どもの頃に体験したのは、日常生活の中でのちょっとした発見、そこから生まれる感動や突き動かされる追求心。大人からみると当たり前なことも子供の世界では大発見なのです。しかし残念なことに大人になるとこのような直感力や洞察力は鈍ってしまい、何事も「アタマ」から動いてしまうことは想像に難くないと思います。「感覚」から「ココロ」そして「アタマ」というように、感情から動いたことで得た知識は確実なものになるといわれています。子供にはいつまでも持っていてほしい、そして大人には取り戻してほしい「センス・オブ・ワンダー」の世界。そのためには自分という人間が外から受け取る感覚と同等に、内から湧き出る感覚をじっくりと味わう時間が必要なのではないでしょうか。私たちは五感に訴えかけ「センス・オブ・ワンダー」が湧き上がるようなアクションを起こしたいと思っています。
なぜ、今、生のエンターテイメントなのか
コロナによりイベント、学校行事のほとんどが中止、縮小になり外出もままならない生活の中で、私たちを癒してくれたのはエンターテイメントだったと思います。インターネットやテレビ等からのアーティストの配信により、私たちは元気付けられエンターテイメントの力を再確認しました。しかし今可能なエンターテイメントに触れるたびに、不可能になってしまったライブでしか得られない音や振動、空気感を求めずにはいられません。特に「センス・オブ・ワンダー」を持っている子ども達には、こんな時期だからこそ普段使わない五感を刺激するような体験が必要なのではないでしょうか。生のエンターテイメントを感じてほしい。その場所でしか感じることができない音や振動、体温など臨場感を味わってほしいと思い、このイベントを考えました。そしてその体験の場所には、小学校の体育館を考えています。学校の象徴的な存在であり、いつも小学生の日常にあるもの。大人になって学生時代を振り返っても数々の思い出がそこにはあります。いつもの場所でいつも隣にいる友人達と非日常的な体験を共有することは、さらに刺激的で、印象深い思い出の一コマになるでしょう。プロのアーティストの魂に触れる体験が、子供達の未来への希望につながる原動力になると強く思います。